法定相続情報証明の概略

 こんにちわ。司法書士の山崎秀です。今日は法定相続情報について書いてみます。

法定相続情報証明とは

そもそも法定相続情報証明制度を利用するとはどういうことでしょうか?

不動産登記規則によると、法定相続情報を記載した書面の保管及び法定相続情報一覧図の写しの交付の申出をすることとされています。簡単にいうと法務局の登記官が戸籍にもとづいた相続関係を証明してくれるのです。法務局は相続登記などの審査をずっと行ってきた役所ですから、相続関係の確認においては各行政の中でも最も信頼性が高いといえます。制度開始時は各金融機関などにおいて法定相続情報証明が利用できるかは不透明でしたが、今日現在で受付を拒否されることはまれではないでしょうか。

ただし、被相続人や相続人に外国籍の方がいて日本国の戸籍だけでは相続関係の証明ができないときは、利用できませんのでご注意ください。この点は戸籍の内容を証明するという制度の設計上やむを得ないところです。

亡くなった方が不動産所有者でなくても利用できる

 法務局において登記官が発行してくれるときくと、不動産の所有が必要条件であるように思われますが、そんなことはありません。亡くなった方が不動産を所有していなくても利用することが可能です。

利用のメリット

 法定相続情報申出には相続関係を証明する戸籍が必要です。手元にその書類がそろったなら、法定相続情報申出をすることなく各提出先にそのまま提出すればよいのでは?とお考えになるかもしれませんが、次の点で法定相続情報申出をすることは有用です。

  1. 登記官に相続関係の確認をしてもらえる。
  2. 利用用途を明らかにする限り発行枚数に制限がなく、手数料がかからない。
  3. 5年間申出をした法務局において法定相続情報証明の再発行が可能である。

発行枚数にかかわらず手数料がかからないことは特に大きなメリットです。戸籍1枚で相続関係が証明できる方は滅多にいません。管理も簡単になるはずです。また代表相続人の方が手続きを行い、ほかの相続人と打ち合わせする資料にもできるでしょう。

相続人の特定の仕方

 最近ではさまざまな媒体で法定相続人の決め方を教えてくれます。民法上法定相続人は次のように決まっています。

  1. 配偶者は常に相続人となります。
    1. 第1順位は子、子が先に死亡している場合に孫がいれば孫が相続人となります。
    1. 第2順位は親、親が先に死亡していて祖父母がいれば祖父母が相続人です。
    1. 第3順位は兄弟、兄弟が先に死亡している場合は甥姪が相続人となります。

順位は子が一人もいない、親、祖父母が一人もいないといった時に順番に適用していきます。先に死亡している人の代わりに孫や甥姪が相続人となることを代襲相続といいます。兄弟の代襲相続は一代限り、つまり甥姪までです。

 ちなみに被相続人より後に相続人が死亡するとどうなるでしょう?これは異なる相続が発生し、新たな相続関係が形成されてしまいます。法定相続情報では各相続関係ごとに証明書を作成する必要があります。

相続登記と一緒に申請できるか

 相続登記と一緒に申出することが可能です。そのため、最初に司法書士に相談すると相続登記と一緒に便利な法定相続情報を発行してもらえます。もちろん、お話をこれからまとめるということで一人のご相続人の方からの法定相続情報証明申出のみの対応も可能です。

司法書士に相談すると早くて便利

 上記のようにメリットもみてきましたが、現在の相続で法定相続情報を発行しない理由はあまりないと私は考えています。これまで、相続関係は司法書士などによる作成がせいぜいで、公的に相続関係を分かりやすく証明してくれる書類はありませんでした。ぜひ、利用していただきたいですし当事務所にもご相談いただければ嬉しいです。