お金を借りて訴えられてしまったあなたへ、無視したら危険ですよ

 こんにちは、司法書士の山崎秀です。今日は裁判の手続きについて簡単にまとめてみます。この社会には無視することにより、大変な不利益を被る可能性がある手紙というものが存在します。その中の一つが、今回かかせていただく訴状です。

裁判とは

 お金を貸した後に返済期限を過ぎて返済してもらえないときに、取り立てを行う必要があります。しかし、今の日本では貸した相手のものを勝手に現金化するなどの方法をとることはできません。では、権利を実現するためにどのようにすればよいのかというと裁判があるわけですね。裁判は裁判所に訴状を提出することが必要です。簡易裁判所においては、口頭での訴えも法令の規定がありますが、事実上書面の提出が必要です。訴えた方を原告、訴えられた方を被告といいます。

いつ裁判は正式にスタートする?

 いざ、訴状が提出されても直ちにスタートはしません。まずは、訴えられたお金を借りている人へ郵便で訴状が送られます。これを特別送達といいます。この郵便を受け取ると裁判が係属するといい、正式にスタートです。冒頭申し上げた、無視するとまずい郵便というのは、この特別送達です。

では、実際に無視するとどうなるか?

 裁判所では、原告と被告にお互いに主張させ、証拠により事実を認定していきます。細かい例外は多いのですが、原則として立証責任は原告にあります。そして、被告が上記の特別送達を受け取っているにも関わらず、反論を書面でださず、設定された期日に出頭もしないとどうなるでしょう。被告は原告の主張をすべて認めたことになります。一般的な感覚では、手続きがすすまないために、無視してもそのまま裁判が終わってくれると考える人もいるのではないでしょうか?そのようなことにはなりませんので、要注意です。

無視したまま、裁判が終わるとどうなるか?

 原告の主張をすべて認めた判決が下されます。有効な判決は既判力というものがあり、認定された事実を争うことは原則できません。その判決で強制執行もできますから、とても危険な状態におかれてしまうわけですね。もし、消滅時効が完成していて、本当は払う必要がなくなっていても、判決までいくともはや争うことはできません。

訴状が届いたらすぐに司法書士、弁護士へ相談してください

 そのため、訴状が届いてどうしてよいかわからないのであれば、すぐに司法書士、弁護士へ相談しましょう。また、今回は訴状を一例に取り上げましたが、裁判所の手続きには、ほかにも支払督促などといったものもあります。いずれも、無視するともはや異議を申し立てる機会もなくなっていくものが多いです。

特別送達を受け取らなかったらどうなるの?

 ここまで読んだ方は特別送達を受け取らなければいいのでは?と思った方もいらっしゃるでしょうね。実は、特別送達を受け取らないからといって、裁判がスタートしないというわけでもありません。自宅に送って受け取らないのであれば、職場に送ったりといったこともできるのです。また、どこに送っても受け取らないのであれば、一定の手続きを経て受け取ったことにする制度もあります。いずれにしても、無視していいことはないことがお分かりいただけるのではないでしょうか。