相続登記には期限があるか?

 こんにちは、司法書士の山崎秀です。みなさん、ご相続が発生したときに、不動産が相続財産にあれば相続登記が必要であることはご存知かと思います。この相続登記は期限があるのか、早期に行った方がよいのかはよくいただく質問です。そこで、今日はこの点について簡単にまとめてみました。まず、相続登記を行わず、亡くなった方名義のままにしておくデメリットからです。相続登記を行わないデメリットとしては次のようなものがあります。

役所の戸籍や住民票が廃棄される可能性がある

 住民票除票は令和元年6月20日に150年に保管期限が延長されましたが、それまでは5年でした。そのため、近年相続登記をお考えの方の多くもこの5年の保管期間に悩まされることになります。相続登記では、亡くなった方の住所について登記上の住所と連続性を証明する必要があるところ、廃棄されてしまうとこれが難しくなってしまうのです。戸籍も保管期間が以前は80年だったため、亡くなった方の一生を追跡すると意外と廃棄されてしまっていたりするのです。証明書類が取得できないと手続きの難易度、コストはあがります。

法定相続分での相続登記を勝手にされて、持分を売却される可能性

 じつは、法定相続人の一人から相続登記を申請することが可能です。それは法定相続分で登記する方法です。たとえ、遺言があったり遺産分割協議が成立していても、この登記がなされたうえで、転売をされてしまうと取り戻すことが難しくなってきます。

法定相続人が遺産分割協議をできない状態になる

 相続登記をしないまま、法定相続人のうちのどなたかが認知症がすすむと遺産分割協議ができなくなります。成年後見制度を利用することとなりますが、法定代理人はご本人の法定相続分を確保しない遺産分割協議は原則としてできません。こうなると、万一、認知症のすすんだ方が他の方に承継してほしかったとしても、もはや本人に意思確認する術がなく、それはできないということになります。お元気なうちに相続登記する必要があります。

相続がさらに広がる可能性

 相続登記をしないうちに、法定相続人のうちどなたかが亡くなると、相続がさらに発生します。これを数次相続といいます。当事者が増えてしまいますから、遺産分割協議がなお困難なこととなるでしょう。

遺産分割協議を証明できない

 上記のように認知症で遺産分割協議ができなくなったり、相続がさらに発生した際に、相続登記はしていないけれどもお元気なうちに遺産分割協議は成立していた場合がありますね。しかし、相続登記が終わっていなければ、遺産分割協議の成立を証明することは極めて困難です。原則として、難しいものと考えてください。

相続登記をしないことにより10万円の罰金が発生する法律改正

 2023年からは3年以内に相続登記を行わないと、10万円以下の罰金を科される可能性があります。

相続登記は早く行いましょう

 上記のように相続登記をしないことによるデメリットは大きなものがあります。すみやかに相続登記を行っていただきたいです。ちなみに、司法書士に相続登記をご依頼いただくと、法定相続情報証明も一緒に作成することが可能です。戸籍収集も代行してくれますから、銀行預金などの相続手続きもとても楽になることでしょう。ぜひ、お早めにご相談くださいね。